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2006年02月

妊娠成績について 2006.2.3[Fri]
 長い期間、ホームページの更新をしておらず、大変申し訳ありませんでした。

  2005年7月、当院は天神センタービル7Fから5Fへ移転し、待合室をはじめ、2つの診察室、3つの安静室と、以前より広いフロアで診療しております。診療までにお待ちいただく時間、あるいは診察中、みなさまが少しでも快適な気持ちでいただけるように、落ち着いた雰囲気づくりを心がけました。(ホームページ「院内設備」をご参照下さい)

 さて、2005年の妊娠成績がまとまりましたので、ご報告いたします。(ホームページ「2005年度の妊娠成績」をご参照下さい)

 年間妊娠数は、昨年に比べてさらに50名増加して、282名になりました。
 妊娠にいたる有効治療法は、タイミング・薬物・人工授精・手術・体外受精・顕微授精と多岐にわたっております。 
 しかし、昨年までに比較すると、体外受精症例の増加が目立ちました。タイミングや人工授精などの治療法で妊娠しない重症例の方が増えた為と思われます。

 個々の治療法の妊娠率を見てみると、新鮮周期体外受精37.2%、新鮮周期顕微授精30.4%、凍結受精卵胚移植43.6%と、昨年同様、高い成績を維持できました。
 
 特に、凍結受精卵胚移植の妊娠率の上昇が目立ちます。
 その理由ニして、次の3点が考えられます。

(1)当院が開院して6年目、第一子を当院での体外受精・顕微授精で妊娠し、第二子希望で再来院される方も増えました。その際、前回妊娠時に凍結しておいた余剰受精卵を今回胚移植することにより、やはり妊娠することができております。良好卵を凍結保存することの意義が、妊娠率という数値でも表れていると思われます。

(2)多嚢胞性卵巣症候群の方などは、採卵時に卵巣過剰刺激症候群の状態になることが、どうしても防ぎ切れない場合があります。その際には、採卵後すぐに胚移植を行うのではなく、全受精卵を凍結保存しておき、次の月経周期に凍結胚を移植することによって患者様自身の身体の安全を守ることができます。この凍結胚移植においても、良好な妊娠率を得られています。

(3)当院では、hMGの連日注射を行わずに、クロミッドなどだけを使用した自然採卵も施行しております。年齢などの原因によりhMGによる通常の排卵刺激を行っても少数の卵胞しか形成されない方、あるいは、他院などで既に複数回の体外受精・顕微授精を行ったにもかかわらず妊娠しなかった方を対象にしています。当院での治療全体に占める比率としては高くありません。が、自然採卵後の受精卵を凍結しておき、良好卵と子宮内膜環境が揃った周期で移植を行うことにより、妊娠を可能にしています。

 反省点としては、人工授精における妊娠率が、周期あたりで7.4%と、昨年に比べて低下したことが挙げられます。
 当院では、体外受精・顕微授精の絶対的適応がなく、かつ患者様が希望された場合には、人工授精を選択しております。したがって、例えば他院で10回以上の体外受精を行っても妊娠しなかった原因不明不妊の方、あるいは高齢の方なども、希望されれば人工授精の対象となっています。そのため、重症例の方の割合が増加して、妊娠率を維持できなかったことが推測されます。
 確かに、人工授精までの治療で妊娠できるのであれば、その後の体外受精・顕微授精が不要となる訳で、その意味からも人工授精は重要な治療法と考えております。今年度は是非とも妊娠率を上昇させられるよう、現在検討を重ねています。人工授精の治療対象をもっと選択していくことも必要かもしれません。

 ところで、昨年4月より、古恵良医師も当院の外来診療に加わっております。週4回の外来ではありますが、当院全体として、より多くの不妊患者さんを、余裕を持って診察できる体制となりました。
 また、木曜日の午後も外来診療を行っており、以前より受診しやすい環境を整えております。(ホームページ「診療時間」をご参照下さい)

 当院の不妊診療に関しては、まずは医師自身が患者様のお話をよく聞き、原因・方針などについて十分ご説明した上で、患者様の理解・納得した治療法を選択することをモットーとしております。
 その上で、選択した治療法が結果を出せないのであれば、どうして上手くいかないのかを省みる過程が大切だと考えています。漫然と同じ治療法を繰り返すのではなく、個々の患者様にもっとも有効と考えられる方法を選択していく、「テーラーメイド」の治療を行うよう努力いたしております。
 来年もさらによい成績がご報告できるよう、スタッフ共々、日々の向上に励んでいきたいと思います。


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